【アピアランスケア特集】私らしさを取り戻す、小さな美の力

2025年07月31日

治療や体調の変化によって、外見が変わる体験は誰にとっても想像以上に大きな出来事です。
ふと鏡に映った自分に戸惑うことも、外に出ることをためらう日もあるでしょう。

けれど、アピアランスケアは「美しく見せる」ためだけのものではありません。
心を守り、自分らしさをつなぎとめるための"もうひとつの医療"だと私は考えます。

外見の変化と向き合うとき

  • 髪や眉:表情の印象が変わり、日常の自信が揺らぐ
  • 肌:乾燥や赤みが続き、ファンデーションののりが悪くなる
  • 爪・手元:ちょっとした視線が気になってしまう

これらは「病気の一部」ではなく、治療生活を送る私たちが毎日直面するリアルな悩み。
大きな声で言いにくいからこそ、寄り添う視点が必要だと感じています。

小さなケアがもたらす大きな変化

肌:丁寧なスキンケアで乾燥を和らげるだけで、表情に落ち着きが戻ります。
メイク:血色を少し足すだけで、「今日も大丈夫」と思える自分になれます。
ウィッグ・帽子・スカーフ:アイテムを選ぶ楽しみが、外に出る一歩を後押ししてくれます。

どれも"隠す"ためではなく、「いまの私を丁寧に整える」ための習慣です。

体験から学んだこと

美容の仕事を通じて、また治療経験で気づいたのは、アピアランスケアは他人のための装いではなく、自分のための時間だということ。
気持ちが沈むときこそ、手を動かしてケアをすることで"自分が戻ってくる感覚"が生まれます。小さな所作が、心の姿勢まで整えてくれる――そんな瞬間を、私は信じています。

おわりに

アピアランスケアは、特別な人だけに必要なものではありません。誰にとっても「私らしさ」を守るための大切なサポート。どうか今日も、あなたの小さな美が、心を支える力になりますように。


※補足とお願い:本ページの内容は個人の経験・見解に基づく情報であり、医療上の指示ではありません。体調や治療に関わる点は、必ず医療者とご相談ください